Morlyn– Author –
ジュエリーデザイナー26年
ジュエリー職人4年 CAD1年
ジュエリーブランドディレクター10年
製作が好きで飛び込んだジュエリー業界で様々な経験を積みながら
品があるデザイン、上質といえる技術を模索。
”静寂なる輝き”を極める旅を続けています。
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陰翳礼讃とジュエリー ――光と影に宿る日本の美
日本文化の美学としての「陰翳」 谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』は、日本文化の美意識を象徴する随筆です。 そこには、太陽の下で煌めく鮮烈な光ではなく、仄暗い中に漂う陰影の中にこそ美が宿る、という思想が描かれています。漆器の艶や、障子を透かす柔...Design for Sparkles -
俗世とあちらの世界を行き来する ― 芸術の役割を考える
芸術とは何でしょうか。人はなぜ、時に生活を忘れるほど絵を描き、舞台に立ち、音楽を奏でるのでしょうか。 答えはひとつではありませんが、共通して見えてくるのは「芸術は人間の心を映す鏡である」ということと、人は人の心を理解することが、自身の豊か...Design for Sparkles -
”人の心を分かろう”とする営み――芸術とジュエリーの本質
映画『国宝』を観ました。心に残ったのは舞台の豪華さ以上に「人の心を分かろうとする」営みの尊さでした。芸能も芸術も、そして私たちの日常も、本質はそこにあるのでは?と考えさせられたのです。 曽根崎心中と「心を想像すること」 映画の中で二度出て...Design for Sparkles -
プリンセスの記憶と現代のジュエリー
子どもは限られた情報の中でも、自然に「プリンセス」に憧れます。煌びやかなドレスに身を包み、舞踏会で踊る姿を想像する。 最近、子どもがピアノを習い始めたのをきっかけに、私もショパンの楽譜を久しぶりに開きました。 「子犬のワルツ」を弾いてみる...Design for Sparkles -
派手さを超えた豊かさ――もののあわれと現代ジュエリー
ラグジュアリーといえば、豪華な装飾や目を奪う煌めきを想像する人は多いでしょう。 けれども今、世界の高級ブランドが注目しているのは「サイレントラグジュアリー」と呼ばれる静かな贅沢です。 ロゴを誇示せず、語らず、ただ素材と仕立ての確かさだけで...Design for Sparkles -
静かな装いとサイレントラグジュアリー|精神的成熟を支え、職人と学びを未来につなぐジュエリー文化
私が目指すジュエリーや活動を通して、伝えたいこと。それは、ここ数ヶ月でばらばらだった様々な要素がつながり、見えてきた目指したい世界のように感じています。 内側から満たされる幸福感とサイレントラグジュアリー サイレントラグジュアリーとは、派...Design for Sparkles -
組織の歪みとどう向き合うか ― 同じ組織に20年働いて気づいたこと
最近同じアイコン画像で、なんだか申し訳ないです。私は20年以上、日本のジュエリー業界で働いてきました。160年の伝統ある会社に身を置き、デザインやものづくりに誇りを持ちながら、ひたすら顧客と仲間の期待に応えるために仕事を続けてきました。 しか...そのほか -
創造と批判、その往復が生むジュエリーの輝き
クリエイティブシンキングとクリティカルシンキング ジュエリーのデザインは、直感だけで生まれるものではありません。そこには「創造的思考(クリエイティブシンキング)」と「批判的思考(クリティカルシンキング)」という二つの思考のやりとりが存在し...Design for Sparkles -
ブランドの計算とクリエーション、その本質
ブランディングに携わっていると、しばしば「他社研究」を求められます。カルティエやヴァンクリーフ&アーペル、ティファニーといった海外メゾンと、日本のジュエリーブランドは何が違うのか。歴史や規模、予算の差はもちろんありますが、最も大きな違...そのほか -
身につける芸術になりうるジュエリー
芸術には大きく二つの流れがあります。ひとつはファインアート(純粋芸術)。絵画や彫刻、音楽のように「美や思想そのものを追求すること」を目的とした表現です。使うためではなく、観る人に感情や思索を呼び起こすこと自体が存在理由となります。 もうひ...behind the Sparkle