CADでデータを作るようになると、せっかく作ったデータ、目でみて確認したいですよね。データと立体の確認作業を重ねることで、思い通りのフォルムが画面上で作れるようになるからです。
その気持ちを抑えきれず、職人さんに相談して、3Dプリンターの家庭用光造形機を購入しました!設定から造形が実際出るまでは準備や失敗でなかなかうまくいきませんでしたが、数ヶ月後には、だいたい問題なく出力できるようになり、データではこういうイメージではなかったけど、立体になるとこうなるんだ、と失敗を繰り返すことで、一歩一歩上達をしていることを実感しています。
3Dプリンター光造形機とは?
光造形機の基本原理
光造形機とは、光造形方式を用いた3Dプリンターです。
光造形3Dプリンターなどとも呼ばれています。
「レジン」と呼ばれる液体状の樹脂に紫外線(UV)を当てて固めることで造形を進めます。
レジンを入れたタンクに造形を行う土台(プラットフォーム)を漬けて、硬化させたい部分に光を照射します。照射によってレジンが硬化し、その厚みの分だけステージを下降させることを繰り返し、積層させ立体造形となります。
光造形機には、一筆書きのレーザーでレジンを照射するSLA方式と、プロジェクターを使用し面でUV照射する吊り下げ式のDLP方式があります。
光造形方式のメリットデメリット
メリットとしては、造形スピードが早く生産力が高い、造形精度が高くもできる、透明度の高い造形物が可能、大型で高精度な造形物も可能、材料の選択肢が豊富という点があげられます。
光造形方式のデメリット
造形物が直射日光に弱い、材料の保管に手間やコストがかかる、後処理の工程がやや手間、サポートの除去が必要などがあげられます。
最も精度が高い仕上がりには、やはりインクジェット式の3Dプリンターが必要です。
しかし、近日の仕事で、工場長と話していたところ、インクジェット式の3Dプリンターで仕上げた樹脂はやわらかめなので、手がいれることができませんが、光造形の樹脂は硬いのでやすりをかけたりシリコンをかけたりできます。
ものやデザインによっては、光造形の樹脂の方がキャスト前に手をいれられてよい商品になるようです。
FDM方式と光造形機の違いは?
FDM方式(熱溶解積層)とは、フィラメントと呼ばれるロール状の樹脂を溶かして積層にしていくものです。一番の違いは、積層の厚みです。FDM方式は0.1-0.3mmが平均的なのに対し、光造形方式は0.01mmまで薄くできるものが平均です。桁が違います!積層が薄いということは、より滑らかに仕上がるということで、細かいディティールが必要なジュエリーに適しています。
簡単な比較表
特徴 | FDM方式(熱溶解積層) | 光造形方式(SLA/DLP/MSLA) |
---|---|---|
造形方法 | フィラメントを溶かして積層 | 液体レジンを光で硬化 |
精度 | 中程度(積層跡が目立つ | 高精度(滑らかな仕上がり) |
積層厚み | 平均 0.1-0.3mm | 最高0.01mmのものがほとんど |
造形速度 | 速い | やや遅い |
コスト | 低コスト | やや高価 |
材料の種類 | PLA,ABSなど多様 | やや高価 |
ジュエリー製作にはどちらがいい?
ジュエリーの製作には、やはり光造形機が最適です。
その理由をいくつか次にあげます。
精度と細かいディティールの再現性
上にも述べたように、積層が0.01mmまでうすくできるかどうかは、より細かいジュエリーの模型を作るに敵しています。
キャスタブルレジンの使用
鋳造可能なレジンを使用すれば、ワックスからそのまま原型にできます。
FDM方式は、フィラメントが素材の種類や色は充実していますが、そのまま鋳造できるものは調べたところ見当たりません。フィギュアなどの模型向きかと思います。
光造形機の値段はどれくらい?
中初心者向けモデル
今は型落ちモデルなら2万円台から見つかります!
業務用モデル
業務用モデルは40万くらいから。
Formlabs Form 3
https://www.form2.shop/product-page/formlabs-form-3-plus
次に具体的なおすすめ機種を紹介します。
中級者向けジュエリー用3Dプリンター(光造形機)おすすめ商品
チェックすべき点は、
積層の厚み、印刷速度、あと大きめのものを出したい場合は造形可能サイズ(ジュエリーの場合はたいてい大丈夫のように思います)説明書の日本語希望の方は日本語説明書、
あとは、USBでデータをいれるのか、Wifiでも飛ばせる機能がついているか。
最近は、AIカメラがついていて、作業状況を確認できるものがあるので、その点や、
空気清浄機が内臓されたものもあるのでそれが必要か、という点です。
1.Anycubic Photon Mono
低価格でとりあえずトライしたい人にはおすすめです。印刷測度が下のものに比べると1/3なので、作業効率を重視したい方は、印刷速度が早いものがよいと思います。
2.ELEGOO Mars5 Ultra
印刷速度も積層の条件もよいものです。カメラもついているみたいです。
3.ELEGOO Saturn 4 Ultra 12K
こちらも印刷速度も積層条件もよいもの。
あとは、値段ですね。ELEGOOは、新しいものが発売されると、古い型がセールになるので、私はセール中のELEGOO MARS 4 Ultraを購入。
最新型よりは2型くらい前のものでしたが、始めるには十二分に機能は十分です。
ELEGOOは深圳からスタートした中国の会社ですが、レジンやフィラメントも製造しているのが、機器と相性がよいはずなので、とてもメリットに思いました。
実際私が愛用している水洗いレジンも、ELEGOOの純正品です。
レジンの選び方についてはこちらをぜひチェックください。

4.Phrozen Sonic Mini 8K 光造形プリンター
印刷速度は2,3の方が早い
5.Phrozen Sonic mini REVO 光造形プリンター
印刷速度は積層0.01の時40mm/hとなります。
ジュエリー製作に適したものを選ぼう
ジュエリー製作には高精度な高精度な光造形機(SLA/DLP/MSLA方式)が最適です。用途と予算に応じて、最適な3Dプリンターを選びジュエリー製作の幅を広げましょう!
ひと昔前なら手が届かなかった造形機も、フィギュア製作の人気と需要からだと想像しますが、今は2万円台から見つかります。積層ピッチと印刷速度をチェックしてご自分の予算に合うものを見つけてください!
コメント