香港ジュエリーショーにいってきました。今回は、行ったばかりのジュエリーショーの傾向や見応えなどを紹介します。

香港ジュエリーショーの魅力と特徴
香港ジュエリーショーは、空港近くのWAで行われる香港国際ダイヤモンド宝石ショーと、湾仔近くのCCで行われる、香港国際ジュエリーショーが時期を重ねて行われる世界で最も大きい展示会の一つです。
世界一大きなジュエリー展示会の一つ
香港ジュエリーショーは、ここ20年で世界的に注目を集めるイベントになりました。イタリアのヴィゼンツアやスイスのバーゼルフェアに代わり、今ではアジア最大級のジュエリー取引の場として、多くの人が訪れます。特に、中国市場の活気に支えられ、(最近は下降気味ですが)日本からのアクセスも良いことから、多くの日本のバイヤーにとって参加しやすいフェアとなっています。
日本からは、素材を探すにはアメリカのツーソンショーもよいと言われますが、寒いし遠いし、時差もあります。
その条件と比較すると、行きは5時間帰りは3時間台で帰ってこれ、時差1時間の香港は気軽で、一番行きやすい大きな国際フェアなのです。
アジアのマーケット向け
仕入れにきている客層は、主にアジア人。中国、香港、日本、たまに西洋人がみられます。AWの素材のフェアには、CCの小売のメーカーなどが前乗りして仕入れに来ていたりします。また石屋同士でも売買したりもしています。出展者にとっても、仕入れするにいい機会ということなんですね。
タイの会社などが、出展しており、タイは、サファイヤの加工業者、ダイヤのカット、ジュエリー製作の会社、その他色石の会社など、様々な業種があり、それぞれ技術も高いので、日本のジュエリーメーカーにとって繋がりをもつことで、メリットがある会社をみつけることができます。

ダイヤモンドや色石の傾向
WEでは、伝統的なルビー・サファイア・エメラルドに加え、タンザナイトやアクアマリン、モルガナイトなどのカラーストーンも多く見られます。コロナ以降、5大貴石の値段は跳ね上がり、(感覚的に倍以上)そのかわりに半貴石と呼ばれるアクアマリンやモルガナイトが注目されはじめました。その流れで昨年人気だったアクアマリン×モルガナイトの組み合わせは、今年は少し落ち着いた印象でした。
日本での商品にする素材を探している立場としては、引き続きタンザナイトの美しいカットのものや、目をひく色石の組み合わせをあれこれ見つけみつけました。
石屋さんには、自分たちが仕入れたものもあれば、自分たちが工場をもっていて、カットもする石屋もあり、自社カットが綺麗な石屋はとても強みがあるように今回感じました。
同じアクアマリンやモルガナイトでも、カットがいいと輝きや照りも異なります。石のたちも重要ですが、昨年から散々素材を見て、カットが綺麗な業者が例えばチップがあってもリカットしてもらえるのでよいのです。
バンコクに拠点を置く石屋は数多くいるのですが、それぞれに強みが異なり、今回カットが綺麗なところがみつかり、ブランドの中石のカットを任せてみることにしました。
それぞれ、扱う石のルートが違うので、原石ルートをもっていることが重要ではありますが、その次にはカットが綺麗かどうか、オーダーカットができるか、などがこだわった素材を求める立場としては重要なポイントです。
ジュエリーの傾向
近年はSNSの影響で、情報が溢れかえり、明覚なトレンドがないものの、各メーカーがこれが作りたいというデザインを探し、作りやすくなっているように思います。
一時期はイタリアのフェアも華やかさを極めていた記憶があり、イタリアンジュエリーはジュエリーの憧れの象徴的でしたが、ヨーロッパの消費が冷え気味で、イタリアメーカーも一時期の華やかさがないように思います。
大ぶりのジュエリーが主流の、ダイナミックなイタリアンジュエリーでは、ゴールドが主流なので、この金の高騰はメーカーにとって大きなダメージに思います。その結果か、樹脂など、カラフルな素材を使った中ばアクセサリーのような展開をしている会社が見られました。これは、誰でも考えることで、七宝やエナメル、ジュエリーとして使えそうな異素材を組み合わせで、斬新さや新しさを演出することを、考えている傾向がみられます。

ジュエリーショーの一番の見応え
大きなダイヤモンドや、大きな大きな綺麗な翡翠
初めてショーを見る人は、日本ではお目にかかることのない大きなダイヤモンドや、パーティー仕様のネックレス、お姫様用やん、という巨大な色石などに圧倒されます。
グランドホールという一番奥のブースは、高額品を売るジュエラーが集まるブースではありますが、毎年同じものが並んでいたりもするので、毎年行っているとそこまで感動はありません。
香港ジュエリーショーの魅力のひとつは、日本ではなかなか見られないような巨大なダイヤモンドや翡翠(ヒスイ)が並ぶこと。特に「グランドホール」では、高額なジュエリーを扱うブランドが集まり、圧巻の展示が楽しめます。ただ、毎年同じブランドが出展していることもあり、新しい発見が少ないと感じる人もいるかもしれません。
全周ネックレスの作りに釘付け
メインをはる香港のダイヤモンドメーカーは、ちょっと一線を超えていて、石のためにデザインしてある丁寧さや、手で作ったであろう職人の技術の高さが並んでいる商品からうかがえます。手作りの場合、同じ職人が作ったものは、石枠の作り方などから、わかったりします。
そこのブースで、私は大粒のネックレスに大きなペンダントをぶら下げる場合、ペンダントTOPの高さを下側を高くしている点が気になり、一緒に言った職人に聞いたりしていました。胸につけた時には、胸板がある女性は少し上向きにはなるのですが、あえてもっと傾斜がつくようにしてあります。
これは、想像するに、パーティーでライトが上や斜めから当たるのでより反射しやすいように工夫されているのではないか、と解釈しています。

そんな工夫している箇所は、日本のジュエリーショーではない経験なので、見にくる甲斐があるというものです。
技術とデザインの傾向
CADで製作する技術がもはや普通になった今、簡単に顧客に対応できるメーカーが多くなっています。タイのメーカーなどが目につきました。
注目されがちなのは、どんな大きな高額の石を揃えているか、に寄りがちなのですが、それをただのデザインではなく、その石を活かすよう考えられてデザインされているものは、香港ジュエリーショーの多々あるメーカーをみても、数えるくらいしかないように思います。

手作りの技術者で、感性が高い人がいれば、それはデザイナーなしでも成り立ってしまうのですが、技術者は技術のことに視野を狭めがちなので、そこでデザイナーの出番がでてきます。
やはり、目をひくメーカーは、大量に生産すべく作っているところではなく、石にあわせて一点一点作っているメーカーですが、どちらも商売のスタイル。どちらがいいというわけではなく、どちらが自分の顧客にあっているか、ですね。
日本人はどうみられるのか?
最後に、日本人のおチビの小娘がどう扱われるか、余談ですがご紹介します。
ダイヤモンドブースは、市場はユダヤ人が牛耳っています。ロンドンで働いていた時もそうでした。ユダヤ人がダイヤモンドを売りにきていました。
インド人も多くいます。日本には、どちらかというとインド系のダイヤモンド屋さんが多いように思います。
世界の香港ショーですから、初回の取引は大きくないと、商売はしてもらえない印象。そして、初めての取引の場合は、よく会社のことを聞かれます。創業100年以上だ、などと説明すると、目の色が変わったりします。外人は、正直です。大きなお金が動くビジネスでないと、ウエルカムされません。
色石では、ルビーサファイヤ系に、インド人、タイの会社が多く、エメラルドはコロンビアの会社も多くあります。色石屋さんは、比較的小ロットでも売ってくれたりするので、小柄な日本人でも馬鹿にされる傾向は少ないように思います。
日本人は「品質の良いものをコンスタントに仕入れる」傾向がある一方、中国のバイヤーは「良いものもそうでないものもまとめて買い占める」というスタイルを取ることが多いと言われます。
まとめ
香港ジュエリーショーは、アジア市場の中心的なイベントであり、ジュエリートレンドや素材の仕入れ、新しい技術を知る絶好の機会です。
CAD技術の普及でデザインの均一化が進む一方、手作業ならではの高度な職人技が光るジュエリーも多く、「本当に価値のあるもの」を見極める力が大切です。
日本のバイヤーにとっては、継続的に質の高い仕入れを行い、どの国の会社であっても信頼関係を築いていくことが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
空港から自宅は、NearMeの乗り合いタクシーが便利です。予約がとれない場合もあるのですが、都内なら何度か依頼すれば予約とれる可能性十分あります。ただ、依頼の時間の前後15分くらいに時間確定の場合があるので、帰りは少し余裕をもって時間指定しないと、一度荷物が出てくるのをまっていたら、時間に遅れそうになったことありました。
今回は、時間にだいぶ余裕もって予約し、早めに空港にはタクシーが来たので、早めに帰宅できて結果よかったです。
荷物の移動のストレスがないし、家の前まで送ってもらえるので楽です。早割もあります。

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