エメラルドとは。取扱の際に気を付けるべきこと

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エメラルドはどんな石?

絵の具でエメラルドグリーンという名の色がありましたが、絵の具などでは到底表せられない緑と青が混ざった、魅力的な色が最も特徴的といえる、緑の宝石。

あらゆる石のデザインに携わってきましたが、エメラルドが一番魔力を持っていると感じます。美しすぎて、所有欲が湧いてしまう、インドの王様が全部買い占めたい、と思ってしまう、そんな気持ちが理解できる、魔力的魅力があります。

ベリルという鉱物

エメラルドは、ベリルという鉱物の一種で、結晶となる時に、酸化クロム(ごくまれにベリリウム)が含まることでエメラルドグリーンになります。
主成分であるベリリウム成分と、クロム成分は異なるマグマの活動と関係しているので、両者が同一の地域で起こることでエメラルドは誕生するので、地球の活動的には希少になるわけです。

コロンビア産が綺麗だといわれます

昔からコロンビアで美しいものが最も産出されていますが、エジプトのクレオパトラも愛用したと言われているので、その近辺でもとれていたと言われています。

産地は、コロンビア=綺麗というイメージで、産地証明がされているものは高く取引されています。中のインクルージョンや成分を調べると、その結晶となった環境が判別でき、産地が明確になります。コロンビアのエメラルドには、三相インクルージョンという平行四辺形の中に丸い気泡と四角い結晶が入っているものがあります。

色味も産地で異なります。鉱山ごとに成分が異なるので、色も違う、というよりもっと細かく、同じ鉱山でも穴が異なると色が微妙に異なる、と言われます。
コロンビアのムゾー鉱山がとても綺麗なものが昔はよく採れたと聞きました。

様々なエメラルドをここ一年くらいアソートしていた中では、コロンビアのエメラルドは、緑が深く濃く、ザンビアのエメラルドはちょっと色味に青が混ざっていて薄目の色、という印象があります。

内包物がふくまれます

エメラルドは、内包物がとても多い宝石です。
まったくないものは、嘘ものかもしれないというくらい、内包物は含まれます。

そのため硬度は7.5-8というけれども、とても欠けやすい印象です。
石留め職人は、ダイヤモンドやサファイアに比べて、とても気を使うと思います。
ですので、石が留まった後も、扱いには十二分に注意が必要です。

固いものにあたったら欠けてしまう、と思って、保管時にも、他のジュエリーに当たらないようにしてください。
エメラルドは多くの場合、フラクチャー(欠けではなく裂け目)にオイルや樹脂などが充填されています。(鑑別でノンオイルという判別されるものはされていないか、オイルを抜いたものです。)なので、超音波洗浄機やスチームクリーナーは充填されているものが出てしまったり、亀裂が大きくなる可能性があるので、NGとされています。

ぬるま湯で汚れをおとしてあげるくらいで留めておくのがよいです。あとはジュエリークロスで汚れを優しく拭いてください。

正しい取り扱いで、長くジュエリーを愛用できますように。

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この記事を書いた人

ジュエリーデザイナー26年
ジュエリー職人4年 CAD0.5年
ジュエリーブランドディレクター10年
製作が好きで飛び込んだジュエリー業界で様々な経験を積みながら
品があるデザイン、上質といえる技術を模索。
”静寂なる輝き”を極める旅を続けています。

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