日本のジュエリー業界ではデザイン料がない?

日本のジュエリー業界で企画やデザイン、販売などに携わり早20年。

常々感じる大きな問題の一つが、ジュエリーデザインをした時に、デザイン料が発生しないことです。
それが、日本のジュエリーデザインの発展が滞る原因の一つだと考えます。

大問題。

グラフィックデザインにも、デザイン料は発生、
ウエブデザインにもデザイン料は発生します。

なのに、ジュエリーデザインは、BtoB業界では、たいていデザイン料が発生しないのです。

私もずーっと不思議に思ってきましたが、改めてなんでなのでしょうか?

その理由とは?

  • 会社の経営陣がデザインの重要性を軽視している、わかっていない
  • 素材コストがかかる割合が大きいので、なんとなくなくなっている
  • デザイナー不在で、営業と職人で製品を作ってきた伝統がある
  • ジュエリーデザインという分野の仕事が曖昧
  • 職人にセンスがあれば、普通のよくある商品は80点でしあがってしまう。
  • 20年私が通ってきた道だけに起こっていることなのか??
  • デザイン会社ではないから?

考えられる理由としては、このようなところでしょうか。

デザイナーにも、
テーマに沿ったコンセプトからデザインし、コレクションの芯から作り出すデザインもあれば
営業の目的に沿った単なる絵描き作業のデザインもあれば、
いろいろです。

単なる絵描き作業は、設計図作成のようなものですが、
それでも実現可能な商品にするために思考するプロセスはあります。

デザイン料が発生しないのに、
デザインアワードなどでは、職人よりデザイナーの方がなんとなくかっこいい人とされます。
デザイン料もらってなくて、職人は工賃は発生していて、その方がみとめられているように感じてしまいます。

長年自分の作業のデザイン料などを考える機会がなかったので、
実際適正なデザイン料と言われるといったいいくらが妥当??と考えてしまいます。

こんな存在感のないジュエリーデザイナーという職業、
考えものです。デザインの価値を確立し、デザイナーの地位を高めていかなければ、これからはデザイナー業でご飯を食べれる人がいなくなっています。

ですので、

私の今年の目標の一つとしては、ジュエリーデザインという分野をもう少し詳しく分析し、
ジュエリーデザインの構成を整理、解説したものを作成し、
ジュエリーデザインに興味がある人が、自分で学べるようなものを作りたいと考えています。

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この記事を書いた人

ジュエリーデザイナー26年
ジュエリー職人4年 CAD1年
ジュエリーブランドディレクター10年
製作が好きで飛び込んだジュエリー業界で様々な経験を積みながら
品があるデザイン、上質といえる技術を模索。
”静寂なる輝き”を極める旅を続けています。

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