ジュエリー自体の歴史は長けれど、日本におけるいわゆる”ジュエリー”の歴史は短い。洋服くらいです。ファッションで言うと、ヨージヤマモトや、川久保玲が世界で通用する日本の服飾史を作り上げたと、私は考えています。
ジュエリーでいうと、戦後高度経済成長と共にジュエリー業界は成長してきたと、いえますが、なんでも売れる時代には、あまりいいものは生まれないようにも思います。
戦後発展したジュエリー市場は、女性の社会進出などにより贈答用だけでなく自分用の購買が増えたこともあり、3兆円まで発展しましたが、バブル崩壊後下降し、コロナ禍では1兆円を切る市場に縮小。現在は1.2兆円に少し回復しています。
海外は、ゴールド好きが多いですが、日本ではプラチナジュエリーが海外に比べてよく売れます。プラチナジュエリーが世界第二位の消費国、ダイヤモンドジュエリーに関しても世界第二位とされます。(2022年時点)
ヨーロッパのジュエリーブランドを見ていると、商品はいわゆる着けやすいものでありながらも、スピリット、商品に対する、またはデザインに対する哲学的なものを感じるものが、おおきなメゾンとなっています。ものづくりに対する敬意や、職人の技術の維持と発展に重きをおいている姿勢が、みてとれます。
日本のジュエリーメーカーとの、違いは、経営陣のデザインに対する熱意や、敬意、技術の維持に対する思いではないか、と最近思うのです。
デザイナーの現状も、決してよいとは言えません。
やはり、このまま会社にいつづけていることは、会社にとっても、デザイナーにとってもよい状況ではないように、近頃強く思います。
会社の中でデザインするとなると、会社の理解や評価がないと、続けてはいけません。
私自身も、デザイン自体は営業所の中でなかなかできずに、自宅や外で行うことがほとんどです。そういう状況にもう20年近いので慣れていたのですが、業界は違えどクリエイティブな会社に所属する姉が、物を作る会社じゃないの?なんでデザイナーだけそんなコソコソ仕事をしないといけないの?クリエイティブな会社なら、業務に沿った勤務体制への理解があるべきだし、それがいいものを作るため、という理解がなければ、いいものはできないのではないか?といったのです。
その言葉が、いろいろな思考に響き、
そうだな、会社がモノをデザインして作る、ということに理解がなさすぎるのか、20年もやっても理解されないのか、
とわかり、やはり、会社としてデザインが伸びない、デザイナーが育たない、そんな会社が右を向いても左をむいても増えているように、思うのです。
デザインの高みを目指すという目標をもっている私は、
どうすべきか、改めて考えてみるのです。
コメント