ブランドはなぜ必要なのか

「ブランド、ブランド」と、あらゆる場面でこの言葉を耳にする時代です。
お米も魚も地域も、何もかもが“ブランド化”され、逆にその響きに陳腐さを感じることすらあります。では、なぜ人はそれでも「ブランド」を必要とするのでしょうか。

ブランドは必要なのでしょうか。

目次

ブランドのはじまりと役割


ブランドの語源はヨーロッパの牧畜にさかのぼります。牛に焼き印を押す「ブランド」が、生産者の印であり責任の証でした。誰が作ったのかを明らかにすることが、信頼を生み、取引の基盤となったのです。


成熟市場とブランドの役割


やがて国が豊かになり、生活必需品は誰もが手に入れられるようになりました。
市場が成熟すると、人は「必要だから買う」のではなく、「+αの理由」がなければ選びません。そこでマーケティングが生まれ、商品を記号化し、見つけやすく、選びやすくする工夫が始まりました。これが現代的な「ブランド」の起点です。

ファッションとブランディング

ファッション業界はその典型です。
デザイナーの名前がブランドとなり、服だけでなく香水・バッグ・ジュエリー・ホテルにまで広がりました。大きな物語をまとった「ブランドの箱」に人は魅了され、それを手にすることで自分のアイデンティティを表現するようになりました。

SNSによって承認欲求を満たすために、大きな箱が必要になったように思います。

ただし、SNSでの拡散を含め、ブランドが氾濫した結果「誰でもわかるロゴ=ブランド」という風潮が広まり、本質的な価値よりも記号的な消費が強調される場面も増えました。ロゴが大きく主張する商品や、インバウンド需要に合わせた派手なデザインは、ブランドへの懐疑や嫌悪感を生み出す一因にもなったのです。

それでもブランドが必要な理由


成熟市場では、よほど強い信念がない限り、人は「意味のないもの」を選びません。
ブランドは「見つけてもらうための旗」であり、ただの記号ではなく、作り手の理念や生き方を伝える道具です。誰に、どんな気持ちで届けたいのかを明確にすることができる。だからブランドを学ぶことは、商品を作る人間にとって大きな助けとなります。

ブランディングについて、わかりやすい本をご紹介

セルフブランディングの重要性

特にものづくりに携わる人間にとって、自分のブランド=自分自身の生き方です。
私は、自分のブランドをどうしていきたいか、誰に伝えたいかを整理する中で、ブランディングが単なるマーケティング手法ではなく「自己理解の手段」でもあることに気づきました。

つまりブランドとは、商品を飾るための虚飾ではなく、責任と思想を込めた「旗印」。
それを掲げることで初めて、同じ価値観を共有する人とつながり、届けたい相手に届くのだと思います。

西澤さんは、YOUTUBEでセルフブランディングの話をされていて、興味があり本を買いました。独自の手法で、完結にブランディングと起業について説明されています。

私もこの手法で、自分のブランドとは、という疑問と様々向き合い整理されました。

あと一冊、おすすめというと、こちら。
お金の勉強は学校では教えてくれない、そう強く認識し、ファイナンシャルリテラシーの低さが私のキャリアでの足枷になっていたことに、やっと気づかせてくれた一冊です。

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この記事を書いた人

ジュエリーデザイナー26年
ジュエリー職人4年 CAD1年
ジュエリーブランドディレクター10年
製作が好きで飛び込んだジュエリー業界で様々な経験を積みながら
品があるデザイン、上質といえる技術を模索。
”静寂なる輝き”を極める旅を続けています。

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