Design for Sparkles– category –
-
技術・美術・芸術──「ただ美しい」を超えるために
ジュエリー制作における「技術」「美術」「芸術」の違いを探ります。ピアノで培った感性と職人としての経験から、観察・文脈・本質を見つめる創作の哲学を綴ります。 技術・美術・芸術とは何か 絵を綺麗に描けるようになりたいと思ったとき、絵の教室に通... -
東洋的美意識と西洋的美意識
東洋の「調和と無常」、西洋の「理念と構築」。 二つの美意識の違いと融合をたどり、現代の静かなラグジュアリーが宿る場所を探ります。 -
静寂のデザイン哲学― ミース・ファン・デル・ローエとサイレントラグジュアリーを考える ―
静けさの中にこそ豊かさは宿る。ミース・ファン・デル・ローエの「Less is more」の哲学を通して、現代のサイレントラグジュアリーと東西の美意識の交わりを探ります。 -
アール・デコが生んだ「女性の意志のデザイン」──ブシュロン、カルティエ、ヴァン クリーフ、そして現代へ
1920年代、パリ。第一次世界大戦が終わり、世界は静かに新しい時代へと動き出しました。その時、最も劇的に変わったのは——女性でした。 戦争中、男性に代わって働き始めた女性たちは、戦後も家に戻らず、社会の中に自分の居場所を築きはじめます。コルセッ... -
物の本質を知るということ― 魯山人に学ぶ、見る力と生きる美 ―
魯山人は、「技術と美術が伴って、芸術になる」と語りました。しかし同時に、「物の本質を見る芸術は、技巧が精密でなくとも得られる」とも述べています。 この二つの言葉のあいだにこそ、彼の美の哲学の核心――“物の本質を知ること”――が息づいていると考え... -
陰翳礼讃とジュエリー ――光と影に宿る日本の美
日本文化の美学としての「陰翳」 谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』は、日本文化の美意識を象徴する随筆です。 そこには、太陽の下で煌めく鮮烈な光ではなく、仄暗い中に漂う陰影の中にこそ美が宿る、という思想が描かれています。漆器の艶や、障子を透かす柔... -
俗世とあちらの世界を行き来する ― 芸術の役割を考える
芸術とは何でしょうか。人はなぜ、時に生活を忘れるほど絵を描き、舞台に立ち、音楽を奏でるのでしょうか。 答えはひとつではありませんが、共通して見えてくるのは「芸術は人間の心を映す鏡である」ということと、人は人の心を理解することが、自身の豊か... -
”人の心を分かろう”とする営み――芸術とジュエリーの本質
映画『国宝』を観ました。心に残ったのは舞台の豪華さ以上に「人の心を分かろうとする」営みの尊さでした。芸能も芸術も、そして私たちの日常も、本質はそこにあるのでは?と考えさせられたのです。 曽根崎心中と「心を想像すること」 映画の中で二度出て... -
プリンセスの記憶と現代のジュエリー
子どもは限られた情報の中でも、自然に「プリンセス」に憧れます。煌びやかなドレスに身を包み、舞踏会で踊る姿を想像する。 最近、子どもがピアノを習い始めたのをきっかけに、私もショパンの楽譜を久しぶりに開きました。 「子犬のワルツ」を弾いてみる... -
派手さを超えた豊かさ――もののあわれと現代ジュエリー
ラグジュアリーといえば、豪華な装飾や目を奪う煌めきを想像する人は多いでしょう。 けれども今、世界の高級ブランドが注目しているのは「サイレントラグジュアリー」と呼ばれる静かな贅沢です。 ロゴを誇示せず、語らず、ただ素材と仕立ての確かさだけで...