色石のジュエリーデザインで気を付けること

5大宝石の色石のデザインでは、ダイヤモンドで取り巻くデザインをよくします。
よくある手法なのですが、石の色味をダイヤモンドが本当によくひき立てるのです。

色石のデザインの際には、何が重要なのかを、デザイン視点でまとめてみました。

目次

一番重要なのは、いかに石の魅力を引き立てるか

結論かいいますと、いかに石の魅力をひきたてるか、それに尽きます。
そのためには、まず、

①石の魅力を知る

②石の性質を知る

③その魅力を引き立てるバランスを考える

④顧客のライフスタイルに合わせる

この4点がプロセスとなります。

次に、それぞれについて説明しようと思います。

①石の魅力を知る

私は、石の魅力を学術的にも知りたいと、英国宝石学協会のFGAという鉱物学の資格を取得しましたが、さまざまなダイヤモンドや色石に毎日ふれて、ハイジュエリーをデザインしてきましたが、結局のところ、石の魅力というのは、自分の目で見て感じるところだと感じます。

色の好き嫌いもありますし、何に魅力を感じるかは、人それぞれですが、皆が綺麗、と思うものは、市場でも綺麗とされ、高値がつく、そういうことです。正統派のジュエリーの世界では。

とはいえ、プロの視点からは、石の色味の迫力や、カットのバランス光の反射具合から、周りの石のボリュームや大きさを決めていきます。あまりキラキラ強く反射しない石に、大きなダイヤモンドを合わせると、ダイヤモンドの輝きが強すぎて負けてしまいます。

周りのダイヤモンドの石のサイズが小さすぎても、バランスが取れずになんだかどっちつかずになってしまいます。

②石の性質を知る

次に、石の性質をよく知ることです。

どういう爪が適しているのか、どのくらい石をみせた方がいいのか、サイドからも見えるようにした方がいいのか、
メッキはかけれる石なのか、洗浄機はかけれる石なのか、傷はないのか、石の性質で考慮すべき点をあげてデザインに反映します。

独特のカットが施されている石は、そのカットが綺麗に見えるようにデザインします。

③その魅力を引き立てるバランスを考える

ここが、なかなか言葉では説明しづらい部分ではありますが、
魅力を書き出した上で、どのバランスがよいのかを、私の場合はいろいろ書いて、その中からよいバランスのものを、改めて選び、清書します。

④顧客のライフスタイルに合っているか考える

せっかく気に入って買っていただいても、次にお会いした時に、まだ一度も着けていない、とか、一度つけたら着けにくかったので、そのままになっている、などと聞くのが、作った方からしては、最も悲しい現象になります、、、

ですので、ターゲットがはっきりしているのならば、ライフスタイルに合ったものを作るべきではあります。

例えば、

日本で、家事育児を日常にする女性は、ひっかからないリングを求めますし、
人前に立ち、華やかさを求める人には、大ぶりのものがよいです。
一方、シンプルで控えめなスタイルの方は、派手なものは嫌いますし、
ボリュームあるボディのイタリア人も、大ぶりのものがよりいいと、大ぶりのものを求めますし、
日本人でも、自分に合うという理由で大ぶりのものを求める人もいらっしゃいます。

というライフスタイルに合う、という重要課題に沿って、デザインを完成させます。

自身は、起業し自分のブランドを、と考えた時は、
こういうライフスタイルの人に合うものを、作りたい、と思うようになってきました。
さまざまなものに携わった経験を経た先に、
「こういうジュエリーを提案したい」というビジョンがやっと見えてきたように思うのです。

そういうアイデアとあたためつつ、今は起業にむけて、足りない知識をつける時期かと思い、さまざまな分野を学んでおります。

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この記事を書いた人

ジュエリーデザイナー26年
ジュエリー職人4年 CAD0.5年
ジュエリーブランドディレクター10年
製作が好きで飛び込んだジュエリー業界で様々な経験を積みながら
品があるデザイン、上質といえる技術を模索。
”静寂なる輝き”を極める旅を続けています。

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