デザイナーとアーティストについて

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デザイナーとして、クリエイターとして

デザイナーとして、どのような立ち位置を目標に仕事をするのかというと、組織のための仕事なら、“売れる”ということを最大目的として全てを計算し、デザインします。

友達の婚約指輪を作るなら、友達のライフスタイルに合った指輪を、品質や留めの精度にこだわって作ります。

それに対し、そういった仕事だけでは消化されないもの、その時々の心の叫びや、感じたものをアウトプットするため、また技術を試したり浮かんだアイデアの形をみるためにも、ジュエリーを製作します。その場合は、着用性は熟考しますが、作りたい!という思いに任せて作ります。

デザインするということの真意

デザイナーとアーティスト、その違いが、はっきりと頭と感覚で理解できたのは、主人のおかげかもしれません。

建築士の主人は、顧客のために、望むものを、機能性もデザインも、そして快適さも、そしてコスト面においても考えて仕事をしています。畑が異なるのので、具体的にはわかりませんが、様々な人が絡み、結果コストがかかり無駄なデザインに仕上がる、なんてことは、顧客が望みませんから、目に見えるインテリアはもちろん、設備面でも、顧客が望むかで判断すると聞きます。

実際、私も素材選びから、石の数、留めの種類を考え、製作工程での手間を考慮し、デザインで工夫をしコストを落としたり、素材のクオリティなどで左右するコストを、値段優先なのか、クオリティ優先なのかで選別したり、時間優先なのか、クオリティ優先なのか、顧客によって考えぬく、という経験を積んできました。
そのあらゆる条件をまとめあげることが、“デザインする仕事だ”というものだ、と明確にわかるようになりました。

世間で、”デザイナー”いう言葉が使われた時、
これは、どういうタイプのデザイナーのことなのかなと考えてみると、より深く理解できるかもしれません。

これから何をしたいか

どんなジュエリーでも大抵デザインできるようになってきた今は、これからどういうジュエリーを作っていきたいのか、デザインしていきたいのか、を考えるようになりました。

それは、
私しかデザインできない、ジュエリー💎
私しか作れない、ジュエリー💎
そして、それが、
誰かが身につけたい、というものであること。(これが大切に思えるようになってきた)

考えると、自分の仕事の目的や目標が少しずつはっきりしてきます。すばらしいクリエイティビティとか、感性豊かな、と言われることは嬉しいですが、それを目的とはしていません。

手にとって、「おお!」と何か感じ取れるもの、そういうものを世の中に増やしていきたい、という思いは強いです。何かを感じる力を養うのは、日々の生活が豊かに送れる最も大切な手段の一つだと思うから。

そして、組織の中にいても、いろいろな製作やデザインにまつわることをさらに経験しながら、”感動”に一番近いポディションにいたい、という思いがあります。会社に所属していると、安定していますが、クリエイションに携わらない人間も多々、宝飾業界においては、デザインや職人の技術に関する理解が低いのが現状です。それに関しては、また何かの記事でご紹介できればと思っています。

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この記事を書いた人

ジュエリーデザイナー26年
ジュエリー職人4年 CAD0.5年
ジュエリーブランドディレクター10年
製作が好きで飛び込んだジュエリー業界で様々な経験を積みながら
品があるデザイン、上質といえる技術を模索。
”静寂なる輝き”を極める旅を続けています。

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